カーテン作りにも「算数」は大事です。

カーテン作りにも「算数」は大事です。

2019/10/13

カーテン作りにも「算数」は大事です。

【カーテン作りにも「算数」は大事です。】

 

関東を中心に、台風19号の被害が拡大しています。気を付けてお過ごしください。

当店のある岐阜県では、あまり台風の影響はなかったようですが、12日(土)は臨時休業とさせていただきました。

ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございません。

13日(日)より通常営業いたしますので、よろしくお願いいたします。

 

さて、今日は先日取付けさせていただいたカーテンのご紹介です。

施工例を追加しました → http://www.i-shikano.co.jp/case/post-72/

リビングのカーテンのお取替えです。

カーテンレールは、こうやって付いていました。

 

 

キャップが壁面用ではなく、飾りが付いたもの。

これだと、キャップの分、隙間が開いてしまいます。

お客様も気にしていらっしゃり、キャップの端っこと壁の間にリングランナーを引っ掛けて端までカーテンで覆えるように工夫していらっしゃいました。

このレールは、確かエスエム工業のフォーマル25という装飾レール。当店の倉庫にここの会社のレールの部品がいくつかあったので、一生懸命探しました。

が、色違いはあっても同じ色がありません。もう何年も前の商品なので、注文もできません。

仕方がないので、代わりになるものを探しました。

そして、こちらを取り付け。

 

 

違和感があまりなかったので、よかったです。お客様も満足してくださいました。

 

ここは、コーナー出窓になっています。

レースカーテンは、コーナーをはさんでカーブレールが2箇所あり、それぞれ両開きで付いていました。

取替えの場合には、今掛けてあるカーテンのひだの数を数えたり、ランナーの数を数えたりします。

ランナーというのはカーテンレールの中に入っているコマのことで、これにカーテンのフックを引っ掛けるのです。

これが足りないと追加しないといけないので、採寸の時には注意して見ています。

以前のカーテンは、両開きの片方がひだ13個、もう片方が11個となっていました。

普通は両開きなら同じひだの数なんですが、コーナー出窓ということでサイドの細い窓分を片方に足してある、という感じ。

 

うまく説明できないので、図を。

正面の窓だけ見たらカーテンの分かれ目が中心にくるようなイメージですね。

お客様とご相談し、ランナーの数も片方が11個分しかなかったので、これまでと同じ仕様でお作りすることにしました。

 

左右で違う幅のカーテンを作る。

何も考えずにサイズだけ注文すると、どうなるか?

わずかなことかもしれないけれど、左右のカーテンで、ひだとひだの間隔が違ったり、ひだの山の高さが違ったりするんです。

 

わたしは、そんなのイヤなんです!

ちゃんと計算して、生地を何㎝幅落とし(幅をカット)するかまで縫製指示書に書いて発注。

まずは、仕上幅を決めて、幅の広い方のカーテンのひだの大きさを計算しました。

 

生地の幅は150cm。

2布使う。

ひだの数は13個。

仕上幅は134cm。

両側の耳の縫い代分は15cm。

 

さて問題です。

「ひだとひだの間隔」と「ひとつのひだを作るのに必要な生地幅」は何cmでしょうか?

 

算数の問題ですね。

やはり、子どものころ算数はしっかり勉強しておくものです。問題を理解するためには、国語力も必要です。

 

と、自分の子どもに言ってもなかなか分かってくれないんだよなー...

余談です。

 

はい、答え。

「ひだとひだの間隔」

仕上幅が134cmなので、134÷(13-1)=11.166…

答えは、約11.2cmです。

仕上幅は両端のひだ~ひだのサイズです。

ひだの個数が13なので、ひだとひだの間の数は12。だから、12で割るのですね。

「ひとつのひだを作るのに必要な生地幅」

(150×2-134-15)÷13=11.615…

答えは、約11.6cmです。

150cm幅の生地を2枚使うので生地幅が300cm。

そこから仕上幅134cmと両耳の縫い代15cmを引くと、ひだを作る分の生地幅が残ります。

ひだの数が13なので、13で割ると1つ分のひだを作るのに必要な生地幅が出ます。

 

これを元に、もう片方のカーテンを作るのに必要な生地幅を出します。

今度は、逆に計算していくのですよ。

 

ひだの数は11個。

ひだとひだの間隔は約11.2cm。

ひとつのひだ山に必要なのは11.6cm。

 

ひだとひだの間隔が11.2cm、それが10個分なので、

11.2×10=112

仕上幅は112cm。

 

一つのひだ山に必要なのが11.6cmでそれが11個、仕上幅と両耳の縫い代を足すと、

11.6×11+112+15=254.6

約255cmの幅が必要です。

 

150cm×2布=300cm

これを255cmにするので、

300-255=45

45cm幅落としすれば、大体同じになります。

 

実は、最初の仕上幅を決めるのに何度も計算しました。

サイドの細い窓の部分を除いて、大体真ん中で分けられるようにしないといけないし、ひだの個数が決まっているので、ひだの間隔を同じにすると左右の仕上幅のバランスが悪くなったり。

で、ゆとり分で調整しながらわたし的にベストな仕上幅を出しました。

ただ、これは柄の横リピートがほとんどない場合だけにしか使えません。

横リピートがある場合、決まった位置で幅落とししないと同じ柄が出ないので注意が必要です。

 

 

あまりうまく説明できなくて、分かりにくかったと思いますが、これだけ細かく考えて発注していますよってことが伝わればいいんですけどね。